COVID-19肺炎により重症呼吸不全を呈したBMI 70を超える病的肥満患者にV-V ECMOを導入し救命した1例

DOI
  • 青木 志門
    新潟大学医歯学総合病院 高度救命救急センター・集中治療部
  • 本田 博之
    新潟大学医歯学総合病院 高度救命救急センター・集中治療部
  • 玉川 大朗
    新潟大学医歯学総合病院 高度救命救急センター・集中治療部
  • 番場 祐基
    新潟大学医歯学総合病院 高度救命救急センター・集中治療部
  • 土田 雅史
    新潟大学医歯学総合病院 高度救命救急センター・集中治療部
  • 晝間 優隆
    新潟大学医歯学総合病院 高度救命救急センター・集中治療部
  • 松井 亨
    新潟大学医歯学総合病院 高度救命救急センター・集中治療部
  • 西山 慶
    新潟大学医歯学総合病院 高度救命救急センター・集中治療部

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抄録

<p> 症例は30歳代男性。身長170cm、体重203kg、体格指数(body mass index:BMI)70.2kg/m2の病的肥満体型であった。新型コロナウイルス(coronavirus disease 2019:COVID-19)肺炎の診断で前医に入院して人工呼吸管理を開始したが、酸素化を維持できないため当院へ転院搬送することになった。感染性と体格を考慮すると陸路搬送を選択せざるを得なかったが、早期接触と搬送支援を目的にドクターヘリで当院救急医を派遣した。当院転院後に、血管撮影と清潔環境でのカットダウンが可能なハイブリッド手術室において心臓血管外科・麻酔科と協力して静脈-静脈体外式膜型人工肺(veno-venous extracorporeal membrane oxygenation:V-V ECMO)を導入した。病的肥満かつCOVID-19という特殊な状況であったが、各部門のマンパワーを考慮した多職種連携によって早期理学療法を含む治療を行い得た。徐々に酸素化は改善し、入院13日目にV-V ECMOを離脱することができた。その後、気管切開と人工呼吸器離脱を経て入院48日目に紹介元へ転院した。</p>

収録刊行物

  • 人工呼吸

    人工呼吸 40 (1), 79-84, 2023

    一般社団法人 日本呼吸療法医学会

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