抗凝固療法が著効したCOVID-19合併急性肝不全の2例

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タイトル別名
  • Two cases of acute liver failure complicated by COVID-19 remarkably responded to anticoagulant therapy
  • コウギョウコ リョウホウ ガ チョコウシタ COVID-19 ガッペイ キュウセイ カンフゼン ノ 2レイ

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抄録

<p>症例1は83歳男性.前医でSARS-CoV-2陽性判明後,AST 4276 U/L,ALT 2247 U/Lと急激な肝酵素上昇を認めたため当院へ転院となった.PT 36 %,D-dimer 30.1 μg/mL,FDP 43.8 μg/mLと凝固異常を伴う急性肝不全非昏睡型で,未分画ヘパリンを開始したところ肝不全ならびに凝固異常は速やかに改善した.症例2は29歳男性.前医でSARS-CoV-2陽性判明後,AST 3027 U/L,ALT 2599 U/Lと急激な肝酵素上昇を認め,第7病日に昏睡に至りPT 11 %と急性肝不全昏睡型の診断で当院へ転院となった.未分画ヘパリン投与および,持続的血液濾過透析と血漿交換による人工肝補助療法を開始後,肝不全の改善を認めた.COVID-19による急性肝不全に対し,早期の抗凝固療法含めた内科的治療によって救命し得た貴重な2症例を経験したので,報告する.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 64 (6), 270-279, 2023-06-01

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (21)*注記

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