気管カニューレ管理に適した誤嚥防止手術:輪状軟骨温存型声門閉鎖術

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タイトル別名
  • Preventive Surgery against Aspiration Suitable for Tracheal Cannula Management: Cricoid Cartilage-Preserving Type Glottic Closure
  • キカン カニューレ カンリ ニ テキシタ ゴエンボウシ シュジュツ : リンジョウ ナンコツ オンゾンガタ セイモン ヘイサジュツ

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抄録

<p>唾液誤嚥により肺炎を繰り返すなどの高度嚥下障害に対する外科的治療として,気道と食道を分離する誤嚥防止手術が行われている。声門閉鎖術(鹿野式)をはじめ多くの誤嚥防止手術はカニューレフリーを目的として狭窄しにくい永久気管孔を造設するように工夫している。一方,術後人工呼吸器管理が必要な症例ではカフ付き気管カニューレの装着が必要となる。気管カニューレは気管切開孔への装着を目的に設計されているために永久気管孔と適合しないことが多い。誤嚥防止手術後のカニューレ不適合は気管切開術と比較して気管カニューレの脱落や気管腕頭動脈瘻などの重篤な合併症のリスクが上昇する。今回われわれは術後気管カニューレの装着を必要とする7例の患者に対して輪状軟骨を温存して声門閉鎖を行い,一般的な気管切開孔の形状を残す「輪状軟骨温存型声門閉鎖術」を行った。本術式における永久気管孔の曲率半径は声門閉鎖術(鹿野式)と比較したところ有意に小さく,気管カニューレの曲率半径に近似していた。われわれが本術式を施行した7例中5例に術後気管カニューレが装着され,術後経過は良好で重篤な合併症を認めていない。輪状軟骨温存型声門閉鎖術は気管カニューレ装着が必要な患者の誤嚥防止手術として有用と考えられる。</p>

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