「転図字書」の発生と盛典 : 『韻鏡』研究における理論と実用

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  • テンズ ジショ ノ ハッセイ ト セイテン インキョウ ケンキュウ ニ オケル リロン ト ジツヨウ

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抄録

『切韻』(隋・陸法言撰、六〇一年成)などの韻書はもともと実用のために作られたものであるが、それをもとに作られた『韻鏡』は理論研究の対象となっていく。盛典(一六六三~?)の『韻鏡易解』(一六九一年刊)『新増韻鏡易解大全』(一七一四年刊)は『韻鏡』理論を注釈したものであるが、ここでは『韻鏡』とのつながりが深い韻書『広韻』(北宋・陳膨年等撰一〇〇八年成)をもとに掲出字を選んでいる。一方『古今韻会挙要』(元・熊忠撰、一二九七年成)はより実用性を増した韻書であるが、盛典はこれをもとに実用的な「転図字書」『韻鏡字子列位』(一六九九年刊)を作成した。そのため『韻鏡字子列位』の「字母」は、同じ盛典の作である『韻鏡易解』『新増韻鏡易解大全』の掲出字とは異なるのである。

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