各種殺菌剤のネギ黒腐菌核病防除効果とピラジフルミド水和剤の効果的な散布時期

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タイトル別名
  • Effectiveness of Several Fungicides on Welsh Onion White Rot and Suitable Timing of Pyraziflumid Spray Application
  • カクシュ サッキンザイ ノ ネギ クログサレキンカクビョウ ボウジョ コウカ ト ピラジフルミド スイワザイ ノ コウカテキ ナ サンプ ジキ

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抄録

<p>鳥取県西部に位置する弓浜半島のネギ黒腐菌核病常発現地砂畑生産圃場において,8 月上旬から 9 月上旬植付け,3 月収穫の根深ネギ春どり作型で,2015 年から 2019 年にかけて薬剤による防除効果試験を行った。供試した 7 薬剤のうち,SDHI 剤 4 種の効果が高かった。なかでもピラジフルミド水和剤の散布は,他の株元灌注,株元散布,散布剤に比べ安定した防除効果を示した。ピラジフルミド水和剤の 2,000 倍液を 9 月下旬および 10 月中下旬の 2 回,キリナシノズルを用いて 300 L / 10 a 相当量を散布することで,感染株であっても症状が軽微であり,高い効果が認められた。圃場における黒腐菌核病の感染動態を調査したところ,感染は 10 月中下旬に起こることを明らかにした。一方,ピラジフルミドのネギ茎盤部付近の濃度推移を調査したところ,薬剤が根や茎盤部において菌糸伸長抑制濃度まで到達するのに 2 週間を要することを確認し,このことは感染前 9 月に薬剤散布することで防除効果が安定することと一致した。以上のことから,ピラジフルミドの 9 月下旬,10 月中下旬の 2 回散布は,根深ネギ春どり作型に発生する黒腐菌核病に対し高い防除効果を示し,また慣行の土壌消毒・灌注処理体系などに比べ,作業労力,経費,水量の削減が可能な防除方法と考えられた。</p>

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