外科治療を行った小児ACNES(Anterior Cutaneous Nerve Entrapment Syndrome)の非典型例2例の経験

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タイトル別名
  • Experience With Two Atypical Cases of Pediatric ACNES Treated Surgically
  • ゲカ チリョウ オ オコナッタ ショウニ ACNES(Anterior Cutaneous Nerve Entrapment Syndrome)ノ ヒテンケイレイ 2レイ ノ ケイケン

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抄録

<p>前皮神経絞扼症候群(ACNES)は,肋間神経皮神経前皮枝が腹直筋前鞘で障害され,腹直筋外縁に疼痛を認める疾患だが,それ以外の腹壁全体の皮神経に起因する疼痛も含めることがある.今回,ACNES非典型例2例に対して外科治療を行ったので報告する.症例1は12歳女児で右鼠径部の,症例2は15歳男児で左側腹部の慢性腹壁痛を訴え,非典型的ACNESと診断した.保存的治療を行ったが効果は一時的であり,発症からそれぞれ8か月後と2年4か月後に手術を施行した.症例1では鼠径管を開放し腸骨鼠径神経を同定して神経切除を行った.症例2では術前にインジゴカルミン色素を混じたトリガーポイント注射を行い,色素を指標に腹横筋腱膜背側の腸骨下腹神経を同定し切除した.2例とも術後症状が消失した.ACNES非典型例においても,保存的治療の効果が乏しい症例に神経切除が有効な場合があり,今後症例を重ねて治療戦略を確立する必要がある.</p>

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