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Abstract
学校提案に即し,発達の段階を視野に入れた『探究』の姿を設定し,その姿を引き出すためのしかけを構想した。本稿では,3年生「じしゃくのふしぎ」と4年生「ものの温度と体積」の単元において,『探究』の姿を引き出すことができたのか,そのしかけが有効だったかを検証したことを述べる。3年生の実践では,『探究』の4つの姿を引き出すために,「学習問題を決めさせる」,「同一問題自由試行型の学びを取り入れる」,「子どもの学習環境を整える」,「教師の出方を考える」等のしかけをうった。それぞれのしかけが集団レベルでの『探究』の姿を引き出すことにつながったものの,個人レベルでは『探究』の姿を引き出せたといえない部分に課題が見られた。子どもの発達には個人差があることをふまえ,集団レベルでのしかけだけでなく,個人レベルでのしかけも必要であることが明らかになった。4年生の実践では,主体の姿を中心に実践をまとめた。主体の姿を引き出すために,「子どもに実験方法を考えさせる」,「学びの足跡を掲示する」,「実験で使えそうな物を手に取れるようにする」,「ワークシートやタブレットを活用させる」の4つのしかけをうった。主体の姿を引き出すことにはつながったしかけもあれば,効果的に作用したといえないしかけもあった。また,子どもたちに実験方法を考えさせる場合は,その実験方法が妥当かという視点での振り返りが欠かせないことも明らかになった。
Journal
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- 和歌山大学教育学部付属小学校紀要
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和歌山大学教育学部付属小学校紀要 45 44-61, 2023-03-01
和歌山大学教育学部附属小学校
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390015055936263552
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- NII Book ID
- AN10218789
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- IRDB