中枢神経系を標的としたmRNA医薬のDDSと治療応用

  • 内田 智士
    東京医科歯科大学 難治疾患研究所 先端ナノ医工学分野 京都府立医科大学 大学院医学研究科 医系化学 公益財団法人川崎市産業振興財団 ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)

書誌事項

タイトル別名
  • Delivery systems and therapeutic applications of mRNA targeting the central nervous system

抄録

中枢神経系難治疾患は、mRNA医薬の有力な標的であるが、デリバリーが課題である。送達経路として、脳実質や脳脊髄液への局所投与、全身投与からの血液脳関門(BBB)を介した送達、nose-to-brain経路があげられる。高分子ミセルは、中枢神経系への局所投与において、炎症反応を伴うことなく効率的なタンパク質発現を誘導し、モデル動物に対して治療効果を示した。例えば、アミロイドβに対する抗体断片のmRNAのマウス脳室内投与により、脳内アミロイドβ量が減少した。CRISPR/Cas9系のCas9タンパク質およびガイドRNAをマウス脳実質内に投与することで、in vivoゲノム編集に成功した。一方で、より低侵襲かつ簡便な投与を目指し、BBB経由やnose-to-brain経路によるmRNA送達システムも開発されている。

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参考文献 (28)*注記

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