書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of Resected Peritoneal Cavernous Hemangioma
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抄録
<p>腹腔の臓器外血管腫としては,腸間膜,大網あるいは小網原発の血管腫は散見されるが,腹膜原発の血管腫はこれまで報告されていない.我々は腹膜原発の海綿状血管腫の1切除例を経験したので報告する.症例は79歳の男性で,便秘精査の単純CTで臍直下に腫瘤を指摘され,当科を紹介された.腫瘤は4×3 cm大で前腹壁に接しており,内部に小石灰化が散在していた.造影CTでは,軽度造影される辺縁不整の腫瘤で,周囲脂肪織濃度の上昇はなく腫瘍性病変と考えられた.MRIではT1W1で筋肉と等信号,T2W1で高信号を呈したが,in phaseとopposed phaseの対比から内部に脂肪の存在が示唆された.腹腔内腫瘍性病変を疑い,切除の方針とした.腫瘍は前腹壁に連続していたが,周囲臓器との癒着はなく,前腹壁,腹直筋,皮膚とともに切除した.褐色で軟らかく,割面はスポンジ状であった.病理組織学的には海綿状血管腫と診断された.腫瘤は腹膜とは強固に癒着していたが腹直筋や腹膜前脂肪などの腹膜外組織には腫瘍性病変はなく,腹膜由来と考えられた.</p>
収録刊行物
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- 日本消化器外科学会雑誌
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日本消化器外科学会雑誌 56 (6), 339-347, 2023-06-01
一般社団法人 日本消化器外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390015111528386432
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- ISSN
- 13489372
- 03869768
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可