<i>BRCA2</i>病的バリアントを有する男性乳癌の家系員に遺伝カウンセリングの機会がなかったため診断が遅れた男性乳癌の1例

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  • Lost opportunity for genetic counseling cause a delayed diagnosis of male breast cancer whose sibling has a <i>BRCA2</i> pathogenic variant: a case report

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抄録

<p> 症例は70才,男性.弟がStageⅣ乳癌で,PARP阻害薬のコンパニオン診断を他院で施行され,BRCA2の病的バリアントを認めていた.患者は弟より自身がBRCA2病的バリアント保持者である告知を受けたが,遠方に在住のため遺伝カウンセリングを受けていなかった.3年後,右乳輪外側縁に皮下腫瘤を触知したためかかりつけの内科クリニックを受診した.問診で家族歴を問われなかったため患者も乳癌の家族歴を伝えず,経過観察となった.4カ月後,腫瘤が増大したため再度受診し.その際に弟が乳癌で遺伝子変異を認めていることを伝えたところ当科紹介受診となった.精査の結果は右乳癌の診断で,右乳房全切除術+センチネルリンパ節生検を行い,病理診断はinvasive ductal carcinoma pT2N1a(sn)M0 pStageⅡBであった.今回われわれは,BRCA2病的バリアントを有する男性乳癌の家族歴を伝えず診断が遅れた男性乳癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.</p>

収録刊行物

  • 遺伝性腫瘍

    遺伝性腫瘍 23 (1), 33-37, 2023-06-30

    一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会

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