フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析法で分析した重質油成分の新規データ処理法

  • 片野 恵太
    (一財)石油エネルギー技術センター 石油基盤技術研究所ペトロリオミクス技術研究室 名古屋大学大学院工学研究科化学システム工学専攻
  • 鈴木 昭雄
    (一財)石油エネルギー技術センター 石油基盤技術研究所ペトロリオミクス技術研究室
  • 松本 幸太郎
    (一財)石油エネルギー技術センター 石油基盤技術研究所ペトロリオミクス技術研究室
  • 加藤 洋
    (一財)石油エネルギー技術センター 石油基盤技術研究所ペトロリオミクス技術研究室
  • 則永 行庸
    名古屋大学大学院工学研究科化学システム工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • New Data Processing Method for Heavy Oil Components Analyzed by Fourier Transform Ion Cyclotron Resonance Mass Spectrometry

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抄録

<p>フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析(FT-ICR MS)から得られるデータの信頼性と定量性を向上するため,分子式帰属を自動的に行う一連のデータ処理法を開発した。本技術を常圧残油の分画物の分析へ適用し,2万弱に及ぶ重質油成分の分子式が開発したアルゴリズムによって自動的に帰属された。分子式の平均質量誤差は0.15〜0.23 ppmに達しており,分子式帰属の信頼性の高さが示された。本技術は帰属した成分の定量性改善のため,GC蒸留結果を用いた感度補正機能を持つ。この補正法では分子式から分子の沸点を推算し,FT-ICR MSデータから推定した蒸留性状を各沸点で1 wt%以内に一致させる補正を行う。補正に必要となった倍率は低沸点の成分ほど大きな倍率を必要とする傾向を示しており,本研究で用いた装置のイオン輸送効率が低分子量の領域で低くなっている可能性が示唆された。</p>

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参考文献 (19)*注記

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