これからの腹腔鏡手術教育に求められる課題 若手は何を求めている?

DOI
  • 猪口 淳一
    九州大学大学院医学研究院 泌尿器科学分野
  • 江藤 正俊
    九州大学大学院医学研究院 泌尿器科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • The attitudes and needs regarding laparoscopic surgery education for young urologists

抄録

<p> 泌尿器腹腔鏡手術を術者として始めたばかりの若手の医師にとって, まず経験する腹腔鏡手術は泌尿器腹腔鏡技術認定制度の審査術式として指定されている腹腔鏡下腎摘除術 (腎尿管全摘除術を含む) あるいは腹腔鏡下副腎摘除術であることが多い. 以前より, ロボット支援手術の普及により若手医師が経験することができる腹腔鏡手術件数が減少するのではないかという懸念があった. この点は, 今後の腹腔鏡手術教育を考える上で重要なポイントである. そこで今回, これからの腹腔鏡手術教育に関して, 教育を受ける側の若手がどのように感じ, 何を求めているのか知るためにアンケート調査を行った. その結果, 技術認定未取得医は手術症例数についてそれ程減少を感じておらず, 実際に手術症例の全国調査結果では腎・尿管に対する腹腔鏡手術件数はむしろ増加していた. その点では, ロボット時代といっても少なくとも2021年度までは技術認定未取得医に対する腹腔鏡手術教育に大きな変化が必要なわけではなかったと考えられた. 一方, 技術認定を取得した医師は症例数減少を強く感じており, 特に縫合結紮機会の減少につながっていた. その結果, 大血管からの出血時のトラブルシューティングなどに大きな不安を抱えていることがうかがえた. また手術教育としては, 手術後のビデオ検討会等でのフィードバックや, 解説付きビデオ教材の公開などに対する要望が多かった. これらアンケート結果を元に, 今後の腹腔鏡手術教育に求められるものを考えてみたい.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390015191520557568
  • DOI
    10.11302/jserjje.36.1_66
  • ISSN
    2436875X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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