亜急性甲状腺炎に小柴胡湯が奏効した1例

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  • A Case Report of Subacute Thyroiditis Successfully Treated with Shosaikoto
  • アキュウセイ コウジョウセンエン ニ ショウサイコトウ ガ ソウコウ シタ 1レイ

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抄録

<p>症例は44歳女性で,第2子を妊娠した頃から体力の低下を自覚し,疲れやすくなったため漢方治療を希望。茯苓四逆湯の方意として真武湯エキスと人参湯エキスの併用で症状は改善し,その後も服用を継続していた。今回,発熱,甲状腺部の痛み,動悸や手の震えを認め,内分泌内科で亜急性甲状腺炎と診断され,アセトアミノフェンを処方されたが症状の改善を認めなかった。食欲が低下して舌に厚い黄苔を認めたことから少陽病と考え小柴胡湯エキスを投与したところ,その翌日から体温は37℃を超えなくなり,甲状腺部の痛みも消失した。漢方治療で亜急性甲状腺炎が改善した既報告症例と今回の自験例を合わせた310例の処方内容を検討したところ,柴胡と黄芩を含有したいわゆる柴胡剤が53%で用いられていた。亜急性甲状腺炎における発熱や甲状腺部の疼痛といった炎症症状には,抗炎症作用を有する柴胡剤が有効な場合が多いと思われた。</p>

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