コロナ禍における腹腔鏡シミュレーターを用いた医学教育への取り組み

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Approach to medical education using laparoscopic simulator in covid-19 pandemic

この論文をさがす

説明

<p> 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により医学生の臨床実習は大きく変化し,院内での実習が制限されることとなった。少しでも学生実習を有意義なものにするために腹腔鏡シミュレーターによる医学教育を導入した。本実習の有用性について学生のアンケートを行い,理解度の評価や今後の課題について検討した。院内実習が可能であった学生に腹腔鏡シミュレーター(Lap MentorTM)を用いた実習を導入し,実習後に腹腔鏡手術の知識,手術手順,手技の上達,骨盤内の解剖の理解度,産婦人科手術に興味を持てるようになったか,腹腔鏡実習で何が良かったかなどの項目についてアンケート調査を行った。腹腔鏡手術の知識については理解が深まったが100%であった。手術手順について理解できたは91%,手技の上達は91%,骨盤内の解剖の理解度は97%などであった。Lap MentorTMでの実習は,骨盤内画像を見ながら手術手技を経験することが可能であり,手術や産婦人科に興味を持たせる手段として有用であった。</p><p> 近年,COVID-19の流行によりわれわれの生活スタイルは大きく変化した。教育の現場でも多くがオンライン授業となり,動画を含めたさまざまな教材が導入されるようになった。座学においては,オンライン授業の導入もスムーズではあったが,臨床実習への応用においては困難な面も多い。外科系診療科において術野での体験は,実際の解剖を目にする場であり,その後の診療選択にも大きく貢献するが,地域の感染状況によっては術野に入ることが制限され,院内での実習が制限されることとなった。そのような状況において少しでも学生に実体験として腹腔鏡手術に触れ,実習を有意義なものにするために,2021年度は腹腔鏡シミュレーターによる医学教育を導入した。当院では5年時に約6名の学生が産婦人科にローテイトで実習に来る。実習の際に,腹腔鏡トレーニングボックス,Lap MentorTMを用いた手術手技の実習を取り入れた。本実習の有用性について学生のアンケートを行い,理解度や満足度について評価した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ