シェーグレン症候群患者におけるドライマウスに対する重曹うがいの使用感調査─唾液緩衝能を考慮したセルフケア─

DOI
  • 東 直人
    兵庫医科大学 医学部 糖尿病内分泌・免疫内科
  • 松井 聖
    兵庫医科大学 医学部 糖尿病内分泌・免疫内科

書誌事項

タイトル別名
  • A usability survey of mouth rinse using sodium bicarbonate water on dry mouth symptoms in patients with Sjögren’s syndrome: self-care method in consideration of salivary buffering capacity

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抄録

<p>【目的】ドライマウス患者では唾液中重炭酸塩(HCO3)濃度の低下に伴い唾液緩衝能と口腔内pHが低下する.これはう蝕,カンジダ症と関連する.重曹うがいは唾液緩衝能を補うと考えられ,シェーグレン症候群(SS)患者における有用性を調査する.</p><p>【対象・方法】重曹うがいを行なったSS患者27人で重曹うがいの実施状況や使用感,ドライマウスに関する症状の変化を問診で調査した.薬物治療や日常の対策は従来通り継続した.</p><p>【結果】実施回数は1日2回が最も多く(33.3%),実施場面は就寝前(66.7%),食後(63.0%)が多かった.使用感は「とても良い」または「良い」が74.1%,ドライマウス症状が軽減した者が66.7%と多かった.良かった点として「口の中がスッキリする」が最も多く(51.9%),「ネバつきが軽くなる」(29.6%),「手軽に作れる」(25.9%),「安価」(22.2%)が続いた.「舌の荒れ/口角炎/口内炎が少なくなった」という回答もあった(14.8%).悪かった点は「面倒」が最も多く(37.0%),「味」(22.2%)が続いたが,「特になし」も比較的多かった(25.9%).使用中重篤な有害事象はなく,「今後もしようと思う」が74.1%と多かった.</p><p>【結論】重曹うがいはSS患者のドライマウス症状を軽減し,簡便性と安全性も高く,SS患者のセルフケア法として活用できると考える.</p>

収録刊行物

  • 臨床リウマチ

    臨床リウマチ 35 (1), 35-43, 2023

    一般社団法人 日本臨床リウマチ学会

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