心理学研究は意識に迫れるか? ―若手が考える意識研究の現在と未来―

  • 森口 佑介
    京都大学大学大学院文学研究科
  • 渡部 綾一
    京都大学大学大学院文学研究科/日本学術振興会
  • 川島 陽太
    モナッシュ大学心理科学学部/国際電気通信基礎技術研究所
  • 中村 友哉
    東京大学心理学研究室
  • 森本 優洸聖
    大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科
  • 石原 憲
    北海道大学大学院生命科学院生命科学専攻生命融合科学コース
  • 土谷 尚嗣
    モナッシュ大学心理科学学部/国際電気通信基礎技術研究所/脳情報通信融合研究センター

抄録

<p>主観的で現象的な「○○であるという感じ」を意識と呼ぶ。近代心理学を創設したヴントやジェームズは,意識を心理学のテーマとしたが主観的な意識は実証主義を目指した心理学から排除されてきた。しかし近年は計算論的アプローチの導入や脳活動計測技術や心理学的実験パラダイムの発展により,主観的な意識を客観的な行動や脳活動と結びつける取り組みが進められてきた。これらの取り組みにより神経科学や工学,心理学等複数の分野にまたがる学際性を持つ重要なテーマとして意識の研究が進められている。</p><p>本シンポジウムでは様々な視座から意識の理解・解明に挑戦している5人の若手研究者が,現在最前線で意識研究を行っている土谷と議論する。川島は意識の神経相関とその階層性,中村は錯視の時間形成,森本は知覚処理と運動・決定に関する処理の分離,石原は身体と外環境のインタラクションの熱力学的定式化,渡部は意識の発達について話題提供する。本領域のトップランナーである土谷を迎え,現在の心理学研究は意識に迫ることができるか,また迫るためには何が必要かを皆さんと一緒に考えたい。</p>

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