報告 カフェイン摂取が身体活動に及ぼす影響:症例報告 ―血糖値,運動時間の変化に着目して―

抄録

本研究の目的は,カフェイン摂取が血糖値と運動にどのような影響を及ぼすかを検討することである.対象は,運動習慣のある男子大学生1名で,観察を中心とした自己実験である.実験に要した期間は4週間であった.実験内容は,運動前にカフェイン400㎎を毎日摂取することで,実験期間中の次の項目を計測した.計測値は,①毎日空腹時と運動前後の血糖値,②体重および体脂肪率,③筋肉量,④摂取カロリーと消費カロリー,⑤運動時間,⑥心拍数,⑦歩数,⑧睡眠時間である.統計分析には,統計ソフト SPSS20(IBM社)を用いて,1週間ごとの計測結果を一元配置分散分析で比較し,統計学的有意水準は5%とした.計測の結果,血糖下降値で有意差はみられなかったものの,カフェイン摂取前に比べ36.80㎎/dl から30.70㎎/dl へと若干の変化が確認できた.また,血糖下降値と運動時間に有意差はみられず,カフェインが運動による脂質代謝に対する影響は確認できなかった.しかし,カフェインを摂取することにより脂質代謝が亢進し,運動時間を延長させることが示唆された.

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