PIXE分析技術の発展と現状
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- 石井 慶造
- 東北放射線科学センター
書誌事項
- タイトル別名
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- Development of the Technology of PIXE Analysis
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説明
<p>PIXEは,Particle Induced X-ray Emissionの頭文字を取ったもので,荷電粒子による原子の内殻電離によってX線が発生する現象を指す.これを元素分析に利用したのがPIXE分析法である.PIXE分析法は,簡便でしかもppbの感度でほとんどの元素を同時に分析できることに加えて試料中に含まれる元素の空間的濃度分布も測れる画期的分析法であるため,現在,医学,生物学,水産学,農学,地質学,岩石学,環境,考古学,資源探索,半導体や金属などの材料科学,化学,宇宙物理学,地球科学,犯罪捜査等の試料の分析,食物等の汚染検査など幅広い分野に応用されている.荷電粒子ビームを試料表面上に照射し走査すると,各元素の2次元空間分布が得られる.さらに,ビームをμmサイズまで絞ると,細胞内の各元素の分布が観察できる(マイクロPIXE分析).試料を純金属ターゲットにすると高強度で特性X線が発生するので,これを点X線源としたミクロン領域を観察できるCTが可能となる(ミクロンCT).元素のX線吸収端を用いると100 μmサイズの物体の内部の元素の空間分布を非破壊で調べることができる.福島第一原子力発電所事故の後,放射性セシウムの食物,土壌の分析にPIXE分析,マイクロPIXE分析,ミクロンCTが役立った.</p>
収録刊行物
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- X線分析の進歩
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X線分析の進歩 50 (0), 49-66, 2019-03-31
公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390015333257743232
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- ISSN
- 27583651
- 09117806
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可