九州各県における年間木材生産量と皆伐地の空間分布の関係性

  • 山田 祐亮
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 森林管理研究領域
  • 福本 桂子
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 四国支所

書誌事項

タイトル別名
  • Spatial Relationships between Annual Timber Productions and Logging Locations in the Prefectures of Kyushu Island
  • キュウシュウ カク ケン ニ オケル ネンカン モクザイ セイサンリョウ ト カイバツチ ノ クウカン ブンプ ノ カンケイセイ

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抄録

<p>我が国の木材生産量は近年増加している。しかし,この増産分はどのような森林から賄われているのだろうか。継続的な木材供給の可能性を検討するためには,伐採個所の特徴を明らかにすることが重要である。そこで,九州各県の民有人工林における年間木材生産量と伐採の空間分布(傾斜や道からの距離)との関係を明らかにした。また,林地を空間分布をもとにカテゴリ分けし,年間木材生産量と伐採面積の比率の関係性を線形回帰により示した。その結果,年間木材生産量が多いほど,傾斜が緩やかで道からの距離が短い森林が優先的に伐採される傾向が強かった。木材生産量の増加は,より収益性の高い森林からの供給により実現していると考えられる。この結果は,木材生産量の増加が伐採個所の偏りをもたらすことを示唆している。全体では森林資源が十分に存在する地域でも,収益性の高い林地において局地的な資源不足が生じる可能性がある。</p>

収録刊行物

  • 日本森林学会誌

    日本森林学会誌 105 (7), 259-263, 2023-07-01

    一般社団法人 日本森林学会

参考文献 (11)*注記

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