外観がアコヤ真珠と類似した小型有核淡水真珠の出現
書誌事項
- タイトル別名
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- About small-sized nucleated fleshwater pearls similar to Akoya pearls
説明
<p>現在、市場に流通するイケチョウガイやヒレイケチョウガイより産出した淡水真珠の大部分は、 1990 年代半ばごろより中国で生産されるようになり流通するようになった。</p><p>この真珠の大きな特徴の一つとして、アコヤ真珠など生殖巣内に核とピースを入れて生産する海水産真珠と異なり、大部分が外套膜にピースのみを移植することで生産されることが挙げられる。そのため、淡水真珠の多くは核を内部に持たない“無核真珠”が流通している。</p><p>その後、養殖技術の発展に伴い、生殖巣で養殖された有核淡水真珠が市場に多く流通するようになった。その特徴としてこれまでの真珠と比較して大型であり、また、核に貫通孔を開けて行う挿核を行う養殖方法から、核に貫通孔が確認できるものである。</p><p>近年、これまでは有核淡水真珠とは異なり、 5mm 程度からそれ以下といった非常に小型の有核淡水真珠が流通するようになった。その外観は白色系のアコヤ真珠と非常に類似しており、アコヤ真珠と混同されて流通している場合が見受けられる。</p><p>本発表ではこの小型の有核淡水真珠の特徴について紹介する。また、特徴の一つに穴口が崩壊している広がっているものが頻繁に見られる。これの理由として、真珠層自体が加工などに著しく劣化している可能性が考えられる。その可能性を探るべく、電子顕微鏡による真珠層の状態の観察およびビッカース硬度計による硬度の違いなどから、真珠層の状態についても調べたので報告する。</p>
収録刊行物
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- 宝石学会(日本)講演会要旨
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宝石学会(日本)講演会要旨 45 (0), 22-22, 2023
宝石学会(日本)