CNCおよびPDMDAACを下層として作製したフラーレン混合系薄膜の表面特性と光電気化学反応

書誌事項

タイトル別名
  • Surface Characteristics and Photoelectrochemical Reactions of Fullerene-Mixed Thin Films Fabricated with CNC or PDMDAAC as an Underlayer

抄録

<p>ステアリン酸,フラーレン-ステアリン酸混合系,硫酸化フラーレンのLB薄膜を作製した。これらアニオン性分子とハイブリッド膜を作製するために,カチオン性高分子のうち,剛性をもつCNC-Cationicと柔性をもつPDMDAACを組み合わせた。膜厚測定では,水層に高分子を加えることで基板表面の平滑性が失われることがわかった。一方,硫酸化フラーレンを用いた場合には,フラーレン骨格同士で二次元の集合が生じるとともに,硫酸基部分は均一に基板に吸着していることが予想された。電気化学測定において,ITO基板の表面反応に由来する光電流密度の増加が確認できた。この増加は,未転写のITO基板の場合と比較して硫酸化フラーレン/Milli-Q水では約30倍,ステアリン酸/CNCでは約3倍であり,電子移動の促進におけるこれらの物質の優位性が示された。一方で,硫酸化フラーレン/CNCでは約10倍に留まる。フラーレンの電子受容性を活かすためには,その分散の仕方や積層の順序が重要となることが明らかとなった。</p>

収録刊行物

  • 色材協会誌

    色材協会誌 96 (7), 223-227, 2023-07-20

    一般社団法人 色材協会

参考文献 (24)*注記

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