化学療法が著効して形成された胃脾瘻孔を介して消化管出血をきたした脾原発悪性リンパ腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Gastric Hemorrhage Due to Gastrosplenic Fistula Caused by Chemotherapy for Splenic Malignant Lymphoma
  • カガク リョウホウ ガ チョコウシテ ケイセイ サレタ イヒロウコウ オ カイシテ ショウカカン シュッケツ オ キタシタ ヒゲンパツ アクセイ リンパシュ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は87歳,女性。労作時呼吸困難で当院を受診,胸部CT検査で脾から胃にかけて径13cm大の腫瘤性病変を指摘された。上部消化管内視鏡検査で胃体中部大弯側に巨大な粘膜下腫瘍を認め,生検でびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断された。化学療法により病変は縮小したが,治療開始51日目に吐血し出血性ショックに陥った。腹部CT像で悪性リンパ腫の胃穿破による消化管出血が疑われたが,内視鏡所見で胃脾瘻孔部が大きく止血困難なため緊急手術を行った。開腹したところ胃は凝血塊で緊満していたが腹腔内出血はなく,脾門部を切離して出血を制御した後浸潤している胃を部分切除して脾臓を摘出した。術後経過は良好であった。病理所見では,脾および胃壁の腫瘍はすべて壊死組織となっており化学療法が著効したと考えられた。</p>

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