腹部刺創による胆管損傷を伴わない肝外門脈損傷の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Extrahepatic Portal Vein Injury Without Bile Duct Injury Caused by Stab Injury of the Abdomen
  • フクブシソウ ニ ヨル タンカン ソンショウ オ トモナワナイ カン ガイ モンミャク ソンショウ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は52歳,女性。刃渡り約20cmの包丁で自身の腹部を刺し,自身で抜いて倒れているところを発見され,当院に搬送となった。来院時,出血性ショックだがresponderであった。腹部造影CTを施行し腹腔内出血を示唆する所見を認めたが,明らかなextravasationは認めなかった。出血源不明であったが,止血・損傷部修復目的に緊急手術を施行した。肝S3辺縁に裂傷を認め,止血した。肝十二指腸間膜より出血を認め,損傷部検索したところ,門脈貫通創の診断で縫合閉鎖し止血を得た。胆囊摘出後,胆道造影で胆管損傷がないことを確認した。術中RBC 6単位,FFP 6単位の輸血を要した。術後1日目に施行した腹部超音波検査で左右の門脈血流を確認できたため,3日目より食事を開始した。希死念慮が強く7日目に精神科に転院となった。</p>

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