肺静脈区域枝切離により楔状切除した肺門部硬化性肺胞上皮腫の1例

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タイトル別名
  • Pulmonary Wedge Resection with Transection of the Segmental Vein for Hilar Sclerosing Pneumocytoma
  • ハイ ジョウミャク クイキ シ セツリ ニ ヨリ ケツジョウ セツジョ シタ ハイモンブ コウカセイ ハイホウジョウヒ シュ ノ 1レイ

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抄録

<p>42歳,女性.2013年9月,子宮頸癌術前精査の胸部CT像で左肺S10根部に10.3mmの結節を指摘されたが,良性と判断され術後1年毎にCTを行い,経過観察となっていた.2021年1月,同病変は14.8mmに増大し当科へ紹介.増大は緩徐であったが,転移性腫瘍など悪性疾患を除外し得ず切除の方針とした.結節は左下肺静脈近傍であり,通常は下葉切除術の適応となると思われたが,V10処理を行うことで楔状切除が可能と判断した.実際,術中にV10を確保して結紮切離することで結節を下肺静脈根部から離すことができ,5mmの外科的切除縁を確保してステープリングによる左肺S10楔状切除術を施行した.術中迅速診断では硬化性肺胞上皮腫と上皮内腺癌の鑑別が困難とされたが,いずれにしても浸潤傾向はなく病理学的にも5mmの外科的切除縁が確保されていたため,追加切除なく手術を終了.術後病理検査で硬化性肺胞上皮腫と診断を確定した.術12カ月現在,無再発経過中である.</p>

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参考文献 (21)*注記

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