高齢者の右室内心臓血管腫の1手術例

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  • Cardiac Hemangioma in the Right Ventricle of an Elderly Patient

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抄録

<p>心臓血管腫は,通常,若年あるいは中年患者において診断される稀な原発性良性心臓腫瘍であり,高齢者での発生はさらに稀である.症例は80歳高齢女性で,間欠的に悪化する左胸部不快感を訴え,当院を受診した.経胸壁心エコー検査で右心室前壁内腔に広基性に付着する可動性のない腫瘍を認めた.造影CT検査では右心室内に不整な楕円形の造影陰影欠損を認め,MRI検査(T2強調画像)で右心室前壁に楕円形の腫瘍が付着していることを確認した.腫瘍は人工心肺補助下に外科的に腫瘍付着部心筋を含めて切除され,右室前壁欠損部は牛心膜パッチを用いて修復した.術後病理組織学的検査の結果,良性の心臓血管腫(cavernous-capillary type)と診断された.患者は術後特に大きな合併症なく,術後12日目に自宅退院した.その後も当院外来で定期的観察を行っているが,術後3年の経過時点で再発の所見は認めておらず,良好な経過をたどっている.今回われわれは,きわめて稀な高齢者に発生した右心室原発の心臓血管腫の1手術例の経験を報告する.</p>

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