血液透析導入後から持続性膿尿を認め透析離脱後に前立腺膿瘍の自然穿破を合併した抗糸球体基底膜腎炎の1例

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タイトル別名
  • Persistent pyuria in a patient with anti-glomerular basement membrane disease after hemodialysis initiation, and spontaneous rupture of prostatic abscess following hemodialysis discontinuation
  • ケツエキ トウセキ ドウニュウ ゴ カラ ジゾクセイ ノウ ニョウ オ ミトメ トウセキ リダツ ゴ ニ ゼンリツセン ノウヨウ ノ シゼンセンハ オ ガッペイ シタ コウシキュウタイ キテイマクジンエン ノ 1レイ

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抄録

<p>70代男性.抗糸球体基底膜腎炎に対し,血液透析と副腎皮質ステロイド療法を実施し8週で血液透析を離脱.その約9週後に意識障害が出現したが数日で改善.しかし,発熱と尿閉が出現し,CRPの再上昇と持続性膿尿を認め,CTにて前立腺膿瘍の後腹膜腔への穿破を認めた.血液・尿培養からEscherichia.coli が検出された.エコーガイド下ドレナージ術と抗菌薬治療にて膿尿も含め軽快した.本症例は免疫抑制下,血液透析,乏尿と前立腺膿瘍のリスク因子を有していた.血液透析導入後に腎炎性尿所見と膿尿の出現持続を認めたが,亜硝酸塩反応はほぼ陰性であり,前立腺膿瘍穿破診断の直前まで関連症状は認めなかった.先進国では,前立腺膿瘍の頻度は低く自然穿破はさらに稀であるが,死に至る可能性がある.急速進行性腎炎による血液透析導入中の尿所見の解釈は難しいが,持続性膿尿を認める場合は,感染症兆候が乏しくても前立腺膿瘍を鑑別に入れ画像検査を実施し検討する必要がある.</p>

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参考文献 (13)*注記

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