ムーコル症の診断と治療

  • 神田 善伸
    自治医科大学附属病院・附属さいたま医療センター血液科

書誌事項

タイトル別名
  • Diagnosis and Treatment of Invasive Mucormycosis

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説明

侵襲性真菌症は高度な免疫抑制を背景にして発症する.ムーコル症の発症背景としては糖尿病と造血器腫瘍が多い.また,糖尿病患者では鼻脳型が多く,造血器腫瘍患者では肺ムーコル症が多いという特徴がある.ムーコル症の致死率は高く,早期診断,早期治療開始が望まれるが,臨床的にアスペルギルス症と類似しており,特異的な血清検査も存在しないため,確定診断のためには積極的な生検が必要である.高用量(5 mg/kg/day)のアムホテリシンBリポソーム製剤の投与が標準的な治療法である.無効例,不耐容例,奏効後の経口治療への移行例に対してはポサコナゾール,イサブコナゾールなどのムーコル症に活性を有するアゾール系抗真菌薬が候補となる.また,切除可能病変,特に鼻眼脳病変,軟部組織病変,肺単一病変に対しては外科的処置の併用を検討する.背景の免疫不全状態についても可能な限りの改善を図る.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390015819046487296
  • DOI
    10.11534/ishinkin.23.005
  • ISSN
    24345237
    24345229
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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