社会福祉従事者に対する職場のストレス対策としての短時間面接の有用性

書誌事項

タイトル別名
  • Effectiveness of a Short-duration Interview on Occupational Stress Management for Staff at a Social Welfare Service Corporation in a Rural Depopulated Community
  • ─過疎化・人口減が著しい地域の社会福祉法人を対象に─

抄録

本研究は,社会福祉法人の職員を対象とした職場における短時間面接を行ない,面接前後を比較し,主観的ストレスとしての気分状態の軽減効果の有無を検証することを目的とした。離職との関連性が報告されているストレスにおいて,職場内で短時間かつ容易に取組み可能な具体的ストレス軽減策の有用性が認められれば,社会福祉法人での離職対策がよりわかりやすくなると考える。調査は,B社会福祉法人に所属する67名の職員を対象とした。面接は,それぞれ20分間の1対1形式で,調査対象のB社会福祉法人に所属外の社会福祉士が実施した。面接の前後に,主観的ストレスとしての気分状態を把握するPOMS2短縮版を用いた質問紙調査を行ない,面接の効果を検証した。その結果,面接後に,ネガティブな感情の【怒り─敵意】,【混乱─当惑】,【抑うつ─落込み】,【疲労─無気力】,【緊張─不安】,【総合的気分状態】のすべての尺度で,有意な低下がみられ,一方,ポジティブな感情の【活気─活力】,【友好】のすべての尺度で,有意な増加がみられた。以上の結果から,本研究では,社会福祉法人の職場内において,短時間の面接を行なうことがストレス対策として有用であるという根拠を示した。短時間の面接法は,費用面も抑えられ,様々な社会福祉法人にて比較的容易に活用できる可能性があり,組織として取組む社会福祉従事者の離職防止対策の一助につながると考える。

収録刊行物

参考文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ