広範な温度条件下での褐炭ガス化により生成するタール成分のGC/MSおよびFD-MS組合せ解析

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  • Combined GC/MS and FD-MS Analysis of Tar Components Obtained by Lignite Gasification under Wide Temperature Conditions

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抄録

<p>二塔式流動層ガス化炉は,一般的に1073~1173 Kで運転するが,将来的には973 K, 873 Kのようなより低温条件での運転も考えられるため,各温度条件のタールの挙動を明らかにすることが重要である。本研究では,実験室規模の流動層ガス化装置を使用して,873~1123 Kの広範な温度条件における褐炭ガス化によるガス化特性およびタール組成を明らかにした。結果として,ガス化温度が高くなるにつれて,得られるガス収率は増加する一方,タール濃度は減少した。また,ガスクロマトグラフ分析によるガス中のH2濃度から,ガス化温度におけるタール濃度をより短時間で予測できることが分かった。タール成分を広範な分子量において明らかにするため,ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)に加え電界脱離質量分析(FD-MS)を組み合わせて分析すると,1123 Kで得られた主なタール成分は,置換基のない多環芳香族炭化水素(PAHs)であり,24と26の分子量間隔でピークが観測された。タール成分はガス化温度の低下に伴い増加し,置換基を持たないPAHsやメチル基などの置換基を持つPAHsも含まれ,873 Kまで低下すると,含酸素化合物の生成も明らかとなった。これら成分は,24と26の分子量間隔に加え,14,16,50,76などの間隔のピークも観測された。さらに,873 Kではより多くのタール成分が生成したが,フリーボード温度を1123 Kにすると,その主成分は大幅に減少し,置換基のないPAHsが顕著になった。</p>

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