書誌事項
- タイトル別名
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- Neuropathic pain decoded by microglial heterogeneity
説明
<p>体性感覚神経系の傷害や疾患によって神経障害性疼痛という慢性疼痛が発症する.病態モデル等を用いたこれまでの研究から,神経障害性疼痛の発症におけるミクログリアの寄与が示されてきた.神経損傷等を感知したミクログリアは,細胞形態や遺伝子発現を伴いその細胞機能を変化させ,痛覚伝達神経の興奮性を高めて疼痛の発症を誘導する.しかし最近,神経障害性疼痛の寛解期に増加するミクログリアサブセット(CD11c陽性)が新たに特定され,疼痛の自然寛解に必要であることと,その後も寛解状態の維持に重要な役割を担うことが明らかになった.すなわち,神経損傷によって変化したミクログリアの機能や役割は一元的ではなく,発症・維持・寛解という各フェーズにおいてダイナミックに変化することが示唆される.これらのミクログリアの多様性とその役割に関する新しい知見から,神経障害性疼痛や他の神経疾患を読み解く新しいストラテジーの確立が期待される.</p>
収録刊行物
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- 日本薬理学雑誌
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日本薬理学雑誌 158 (5), 362-366, 2023-09-01
公益社団法人 日本薬理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390015897167423360
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- ISSN
- 13478397
- 00155691
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可