機關木人――仏典におけるロボット――

  • 趙 悠
    Assistant Professor, Peking University

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タイトル別名
  • Yantrapuruṣa: Mechanical Beings in Buddhist Literature
  • Yantrapurusa : Mechanical Beings in Buddhist Literature

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抄録

<p> インド古典文献において,機関木人は一種の比喩で,行為主体の有無の問いとして使われている.ジャイナ教徒とヒンズー教徒にとって,機関木人(ロボット)はただ生命をもってない身体のみを表示するので,この比喩には別の「自我」が必要とされる.これに対して,仏教徒にとって,機関木人という比喩は無我教義の文学性論証として使われている.本論は仏教側に注目し,紀元前に成立した二つの比喩用例を詳細に比較してきた.機関木人が直接に比喩対象として使われ,あるいはこの比喩を使って,うまく叙事の一部分としてストーリーを組み立てる二種の使い方を発見した.さらに,これらの代表的な事例を考察し,仏教におけるこの比喩の使い方,及び仏教思想の発展に伴う使い方の変化も明らかにする.</p>

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