思渓蔵『一切経音義』について

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タイトル別名
  • The <i>Yiqiejingyinyi</i> in the Sixi Edition of the Buddhist Canon
  • The Yiqiejingyinyi in the Sixi Edition of the Buddhist Canon

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抄録

<p> 『一切経音義』は唐代の僧侶である玄応に編纂され,現存する最古の仏典音義である.奈良時代に日本に伝来し,盛んに書写された.現在,中国に所蔵されている『一切経音義』の版本に対し,写本は日本しか残されていない.その他に,大英図書館やフランス国立図書館には『一切経音義』の敦煌・吐魯蕃断片群が所蔵されている.2019年,国際仏教学大学院大学と中国国家図書館古籍部とが共同編集した宋版思渓蔵が公開できるようになった.思渓蔵は高麗再雕本を底本とする大正蔵の対校本として,利用する価値がある.</p><p> 本論文は,『一切経音義』写本(正倉院蔵本,金剛寺蔵本,法隆寺大治三年写本,七寺蔵本,西方寺蔵本,広島大学図書館蔵本,東京大学史料編纂所蔵本,京都大学国語学国文学研究室蔵本,天理図書館蔵本,興聖寺本)と版本(高麗初雕本,高麗再雕本,磧砂蔵本,宮内庁蔵本)を対照する.思渓蔵『一切経音義』を中心に,諸本と異同のある内容を通して,思渓蔵の特徴を検討する.</p>

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