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- 斉藤 茜
- Researcher, Austrian Academy of Science, PhD.
書誌事項
- タイトル別名
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- The Relationship between <i>bindu</i> and <i>kalā</i> in the Śaiva Siddhānta Tradition
- The Relationship between bindu and kala in the Saiva Siddhanta Tradition
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説明
<p> シヴァ教二元論シャイヴァ・シッダーンタにおいて,ビンドゥ(bindu)は森羅万象と言語の質料因として重要な位置を占める.9~10世紀頃のカシュミール出身と目される思想家シュリーカンタの詩節のみから成る著作Ratnatrayaparīkṣā(『三宝の考察』以下RTP)は,三宝即ちシヴァ,シャクティ,そしてビンドゥの考察を主題とする作品だが,最も紙幅を割かれるのはビンドゥであり,シヴァとシャクティもビンドゥとの関係の上から議論される.一方でそこには,明らかにさまざまな過去の思想伝統が混ざり合った痕跡があり,その複雑さが「ビンドゥとは,マーヤーより上位の,シヴァ教的な根本物質であって,同時に言葉の源である」以上の考察をこれまで阻んできた.本稿はシャイヴァ・シッダーンタにおけるビンドゥ思想を形成した基になる思想をRTP及びシャイヴァ・シッダーンタの諸聖典に基づきながら分析することを目的とし,以下の三点を考察する.(1)〈六道〉のひとつでありビンドゥの様態とされる〈カラーの道〉とは何か.(2)〈カラーの道〉は,他の〈非表示者〉〈表示者〉の五つの〈道〉をどのように遍充するのか.(3)五カラーを内包するビンドゥ相とは何か,そしてそれがどうしてシヴァのシャクティと呼ばれるのか.これに関連して,シヴァの三つの態を作るビンドゥと,その中で特に〈享受〉態に相として現れる〈ビンドゥ〉との関係を検討する.</p>
収録刊行物
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- 印度學佛教學研究
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印度學佛教學研究 71 (3), 975-980, 2023-03-25
日本印度学仏教学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390015907538514944
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- NII書誌ID
- AN00018579
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- ISSN
- 18840051
- 00194344
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- NDL書誌ID
- 032803550
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可