本居宣長「物のあはれ」説の成立と仏教の哲学的思考

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書誌事項

タイトル別名
  • The Formulation of Motoori Norinaga's Theory on the Pathos of Things and Buddhist Philosophical Thinking

説明

<p>従来本居宣長は仏教批判者とされ、また宣長自身が自らの学問への仏教の影響を語らないために、宣長研究は仏教を考慮外に置いてきた。それに対し漢学との関係は、宣長が京都で医学修行の基礎として学んだ関係からよく研究された。しかし宣長の学問は仏教と深く関連し、それを追究すれば宣長について従来とは異なる新たな知見が得られる。それは宣長にとって仏教とは何であったかの追究でもある。本稿は宣長の学問の出発点である「物のあはれ」説を取り上げる。「物のあはれ」説には膨大な先行研究があるが、まだ十分明らかになっていない問題がある。宣長は、その説は藤原俊成の「恋せずは人は心もなからまし物のあはれも是よりぞ知る」の歌がきっかけになったと語る。だが研究史では俊成の歌からいかにして「物のあはれ」説が成立したかは十分解明されていない。本稿はその成立に『摩訶止観』の心の有り様と感情をめぐる仏教の哲学的思考が関わることを明らかにする。</p>

収録刊行物

  • 宗教研究

    宗教研究 97 (1), 1-26, 2023-06-30

    日本宗教学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390015907538936064
  • DOI
    10.20716/rsjars.97.1_1
  • ISSN
    21883858
    03873293
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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