コロナ禍における中国人留学生の体験

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書誌事項

タイトル別名
  • Chinese International Students’ Experience During the COVID-19 Pandemic in Japan

抄録

<p> コロナ禍において、大学生は学習面、生活面、心理面など様々な側面において影響を受けている。特に、COVID-19の発生源とされている中国からの留学生は、帰国困難、将来への不安、差別体験などによって、様々な精神的負担を抱え、特有の体験を持つと考えられる。本研究は中国人留学生のコロナ禍における体験を明らかにすることを目的に、8名の中国人留学生を対象に半構造化面接を行い、質的分析を行った。その結果、中国人留学生は経済的不安、来日・帰国困難など様々なストレスを抱えていると同時に、感染への不安・恐怖、感染が中国から始まったことへの罪悪感・責任感、将来への不安、ステイホームによる孤独感、差別による憤り・悲しみなどといった様々なネガティブな感情を抱えていることが明らかになった。これらのストレスやネガティブな感情がメンタルヘルスの悪化に繋がる可能性が示唆された。このような状況に対して、彼らの感情調整の工夫や現状を受け入れる努力といった情動焦点型コーピングが見られた。彼らへの支援として、経済支援、学習支援、メンタルヘルス面に止まらず、差別防止への取り組みも求められる。</p>

収録刊行物

  • 学生相談研究

    学生相談研究 43 (3), 233-243, 2023-03-31

    一般社団法人 日本学生相談学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390015984923556480
  • DOI
    10.57289/jasc.43.3_233
  • ISSN
    27580067
    09146512
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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