養殖サケ科魚類に対する新規遺伝的性判別 PCR 法の開発

  • 木南 竜平
    Shizuoka Prefectural Research Institute of Fishery and Ocean Current address: Shingu Station, Aquaculture Research Institute, Kindai University
  • 松山 創
    Shizuoka Prefectural Research Institute of Fishery and Ocean

書誌事項

タイトル別名
  • A new PCR-based genetic sex identification method for farmed salmonids

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抄録

<p>サケ科魚類の遺伝的性を判別するマルチプレックス PCR 法を新規に開発した。サケ科魚類の性決定遺伝子 sdY 及び陽性対照として18S rRNA 遺伝子のユニバーサルプライマーを設計することにより,ニジマス,アマゴ,イワナの遺伝的性を同一の手法で高精度に判別することが可能であった。加えて,開発した手法は国内の養殖業において用いられているニジマス及びアマゴの偽雄や三倍体ニジマスの性判別にも応用可能であり,遺伝的性判別の結果が供試魚の機能的性や倍数性に依存しないことが示された。さらに本手法は,鰭,精子,血液からの粗抽出液を PCR の鋳型 DNA に用いることを特徴とし,延べ320検体中318検体において1回の解析で正確な PCR 結果が得られるなど,安定した性判別が可能であった。以上により本手法は,しばしば在来種を含む複数魚種や染色体操作魚を同時に飼育するサケ科魚類の養殖現場における,簡便,迅速,低コストな遺伝的性判別法としての応用が期待される。</p>

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 70 (3), 251-260, 2022

    日本水産増殖学会

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