世界地誌学習の新たな方向性

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A New direction of world geography learning
  • What is the significance of Europe geography
  • ヨーロッパ地誌をどうとらえるか

抄録

<p>1.企画趣旨</p><p>本発表は,2023年日本地理学会秋季学術大会公開シンポジウム(第44回日本地理学会地理教育公開講座)として開催するものである。テーマは,「世界地誌学習の新たな方向性―ヨーロッパ地誌をどうとらえるか―」としたい。新型コロナ,ロシアによるウクライナ侵攻など,歴史を画するような現代的な課題が山積するなかで,ヨーロッパ理解の必要性は増している。世界地誌学習の新たな方向性,把握する視点を,現地のフィールドワークの成果,学校現場の授業実践を活かして考え,次の改訂の議論へとつなげていきたい。発表は以下の通りである。</p><p> 1田部俊充(日本女子大):企画趣旨・スウェーデン・フランスからみるヨーロッパ理解</p><p> 2藤塚吉浩(大阪公立大):ロンドン東部におけるジェントリフィケーションと地誌学習</p><p> 3池田真利子(筑波大):ドイツにおける教育の本質:グラフィティ研究の最前線―地理学の教育に芸術の実践を取り入れる</p><p> 4戸井田克己(近畿大):世界地誌学習の現状とヨーロッパ理解の課題―学習指導要領の分析を通して―</p><p> 5高木優(神戸大学附属中等教育学校):中学校社会科・地理総合・地理探究とヨーロッパ理解の課題</p><p> 6山内洋美(宮城県仙台西高):社会系教科としての選択科目「地理探究」における地誌学習とヨーロッパ理解の課題</p><p> 7永田忠道(広島大):地理教育からみたヨーロッパ理解の課題  8濱野清(兵庫教育大):総括:今後の世界地誌学習の新たな方向性を考える</p><p>2スウェーデン・フランスからみるヨーロッパ理解 ヨーロッパ理解のための地誌学的アプローチにあたって参照したのは,『ヨーロッパ ( 世界地誌シリーズ)』(2019,朝倉書店)である。加賀美(2019)では,「1 総論―統合に向かうヨーロッパの地域性」「1.5 ヨーロッパへの地誌学的アプローチ」において,EU は,「国家の枠組みを超えた地域間の連携を強めながら,統合を進めている」とする。一方で,「EU という大きな枠組みのなかで自己主張に乗り出している事実」にも注目している。 2020年3月28日(開催中止)に予定していた第37回地理教育公開講座」では「世界地誌学習の新たな方向性-ヨーロッパ―」をテーマに進め「BrexitからアプローチするEU/ヨーロッパ理解」では, EUを中心に据える理解,非加盟国ながらシェンゲン協定を実施し共通市場に組み入れられたノルウェーやスイスのような国,東南ヨーロッパのEU加盟を求める経済力の弱い国々という三つのセグメント相互の関係を重視した理解が求められる,とヨーロッパを概観的に把握する重要な視点が示された(加賀美2020)。   田部(2023)は,スウェーデン・ウプサラ大学との国際交流を進めるなかで,ヨーロッパ理解を進めるための世界地誌学習の教材開発において歴史的アプローチが重要であることを示した。ノルマン人のイングランド征服,ナポレオン戦争などとスウェーデンとの関係を整理し,世界地誌教材の可能性を追究した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016128781677952
  • DOI
    10.14866/ajg.2023a.0_27
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ