視交叉内の黄斑線維走行部に限局する 接合部障害と思われた特発性視交叉炎の一例

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タイトル別名
  • A Case of Junctional Scotoma Caused by Idiopathic Optic Chiasmitis at the Macular Fiber Chiasm

抄録

<p> 37歳の男性が左眼の霧視を自覚した.矯正視力は右1.2 左0.6.相対的瞳孔求心路障害(relative afferent pupillary defect: RAPD)は陰性であった.周辺視野欠損は明らかでなく,ハンフリー静的視野10-2プログラムを用いた中心視野に両耳側半盲と左眼の中心感度の低下を認めた.頭部磁気共鳴画像(MRI)にて視交叉内部後方やや左側よりに造影される病変を認めた.視交叉炎と診断し原因検索を行い,明らかな全身性炎症性疾患は認められなかった.その後自然軽快し,左矯正視力は1.0まで回復,両耳側半盲は消失し,左眼の中心感度も正常化した.頭部MRIの造影効果も消失した.本症例は,視交叉内の黄斑線維走行部に限局した接合部障害をきたした特発性視交叉炎で,組織学的研究を臨床的に証明する,まれでかつ貴重な症例であると思われた.またこのような症例は,適切な視野プログラムを選択しないと病変を見逃す可能性があり,注意を要すると思われた.</p>

収録刊行物

  • 神経眼科

    神経眼科 40 (3), 248-253, 2023-09-25

    日本神経眼科学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016128781764352
  • DOI
    10.11476/shinkeiganka.40.248
  • ISSN
    21882002
    02897024
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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