電荷移動錯体形成タグの光活性化による汎用的芳香環C-H官能基化法

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抄録

芳香族の官能基化は,医薬品化学を含む有機化学研究に多大な貢献をもたらし続けており,近年では電荷移動錯体を利用した方法論が注目されている.電荷移動錯体は,電子豊富分子(ドナー)と電子不足分子(アクセプター)から形成され,光照射によりドナーからアクセプターに一電子移動し,ラジカルカチオンおよびラジカルアニオンにそれぞれ変化する分子間化合物である.その利用例として,ハロゲン化アリールをアクセプターとする電荷移動錯体に光照射し,ハロアニオンの脱離を伴ったアリールラジカル生成と続く官能基化が報告されているしかし本法では,基質が電子不足ハロゲン化芳香環に限定されるという欠点があった.これを解決した新手法がDewanjiらにより最近報告されたため本稿で紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Crisenza G. E. M. et al., J. Am. Chem. Soc., 142, 5461–5476(2020).<br>2) Tobisu M. et al., Chem. Lett., 42, 1203–1205(2013).<br>3) Liu B. et al., J. Am. Chem. Soc., 139, 13616–13619(2017).<br>4) Dewanji A. et al., Nat. Chem., 15, 43–52(2023).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 59 (10), 942-942, 2023

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016184232373376
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.59.10_942
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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