ひきこもり当事者の母親の関わりが変化するプロセス

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書誌事項

タイトル別名
  • The process of change in the interrelationship between mothers and their Hikiko m ori children
  • Approaches for connecting the mother and child with support
  • 母親自身が支援につながること・当事者を支援につなげるための働きかけ

抄録

ひきこもり支援は、家族への支援から始まることが多い。家族支援では、家族関係の再構築や当事者の 来談に向けた働きかけの模索が焦点になる。一方で、そもそも家族や当事者が支援につながることの難し さや当事者への関わりを変えることの困難さも存在する。本研究では、ひきこもり当事者の母親1 名とそ の子どもであるひきこもり当事者1 名へのインタビューを行い、支援につながるプロセスや当事者への関 わりが変化するプロセスを複線径路・等至性モデリング(Trajectory Equifinality Modeling: TEM)の方法 を用いて明らかにした。その結果、社会的方向づけ(SD)などが影響し、過保護・過干渉などの一方的で 不適切な関わりにならざるを得ないひきこもり当事者を抱える母親の様子が捉えられた。そうした母親の 心境の理解に努めながら、支援者が長期的な視点で粘り強く関わることで、等至点(EFP)として導出さ れた〈子どもが支援につながる〉ための有用な支援となると考えられた。また、支援につながることがで きた後には、母親の子どもを大切に思う気持ちを、子どもの立場に立った対話的な関わりとなるよう支援 することで、セカンドEFP〈子どもなりの自立を見届ける〉に至る可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 子育て研究

    子育て研究 13 (0), 26-42, 2023-03-31

    日本子育て学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016184232606848
  • DOI
    10.24719/jscr.k13003
  • ISSN
    21897581
    21890870
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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