認知・行動の問題とOSA

DOI
  • 加藤 久美
    太田総合病院記念研究所付属診療所太田睡眠科学センター 大阪大学大学院連合小児発達学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Cognitive and behavioral problems and OSA

抄録

<p>小児の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は学業不振や日中の認知・行動の問題など発達面に影響を及ぼすことが知られ,睡眠障害国際分類第3版の診断基準に「眠気,多動性,行動上の問題または学習上の問題」が含まれている。認知・行動の問題はOSAの重症度とは相関せず,いびきのみであっても影響すると考えられている。OSAのモデル動物実験において,海馬や前頭葉の構造的,神経化学的な変化を引き起こすとの報告や,OSA児の磁気共鳴スペクトロスコピーにて海馬・前頭葉の傷害を認めたとの報告があり,脳機能への影響が示唆される。大規模前向き研究においてアデノイド・口蓋扁桃摘出術後に経過観察群に比べ有意に行動面の問題が改善したとの結果より,治療介入が重要であると考えられる。一方,神経発達症児にいびきやOSAが一般よりも多いとの研究報告がなされており,小児OSAの診療では発達面の問題に着目する必要がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016184239006976
  • DOI
    10.11374/shonijibi.44.60
  • ISSN
    21865957
    09195858
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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