重症筋無力症を合併した好酸球性心筋炎の幼児の一例

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タイトル別名
  • An Infant Case of Eosinophilic Myocarditis with Myasthenia Gravis

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抄録

<p>好酸球性心筋炎(以下EMC)は,ステロイド治療が著効しより早い段階から導入されることで回復が見込める比較的予後良好とされる心筋疾患である.ステロイド漸減中に重症筋無力症(以下MG)が発症した症例報告はない.症例は3歳女児,先行感染がない急な顔色不良と呼吸苦症状で入院し,心臓超音波で壁運動低下を認めた.初期治療のステロイド終了後,第9病日より好酸球増多と心筋逸脱酵素の再上昇を認めたためEMCを疑い,ステロイド投与を再開した.好酸球数低下に伴い壁運動改善を認め,第81病日に退院した.その後筋力低下による歩行困難,右眼瞼下垂より精査を進めMGと診断され,ステロイド投与に加え免疫抑制剤を内服し軽快した.EMCを疑った場合には早期の段階よりPSLを導入することが重要である.またEMCとMGは共に免疫の賦活化が発症機序であり,両疾患の関連が推察された.このためステロイド漸減中の神経症状には注意が必要と考える.</p>

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