電気化学的手法を駆使した天然抗酸剤の作用機序へのアプローチ

  • 堀田 弘樹
    神戸大学大学院海事科学研究科 神戸大学大学院海事科学研究科 国際海事研究センター 神戸大学大学院 科学技術イノベーション研究科
  • 松本 健嗣
    神戸大学大学院 科学技術イノベーション研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Research on the Reaction Mechanism of Natural Antioxidants Using Electrochemical Techniques

抄録

<p>天然抗酸化剤は生体の還元剤として,活性酸素の過剰生成による酸化傷害から生体を防御する機能を担っている。抗酸化剤の基本的な物理化学的特性を評価するために,電気化学測定は非常に有効な手段である。電気化学測定によって得られるパラメータのうち,筆者らは特に酸化電子数(n)に注目することで,酸化に伴う多量化反応によってnが増大する反応メカニズムを発見した。これはバルク溶液中での抗酸化活性を非常によく説明することができる特性であった。一方で,生体内での反応を考えるうえで,混じり合わない溶液/溶液または溶液/膜界面での反応を観察することは極めて重要である。液/液界面近傍で起こる電子移動の観察にも着手し,疎水性の度合いにより反応機構が異なることを示した。液膜界面での電子移動を観察するために,筆者らが考案した分光測定法についても紹介する。</p>

収録刊行物

  • Oleoscience

    Oleoscience 23 (10), 525-532, 2023

    公益社団法人 日本油化学会

参考文献 (22)*注記

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