和歌山カレーヒ素事件鑑定における赤外吸収分光の役割

DOI
  • 杜 祖健
    Department of Biochemistry and Molecular Biology 239 Molecular & Radiological Bioscience Building, Colorado State University
  • 河合 潤
    京都大学大学院工学研究科材料工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Role of Infrared Absorption Spectroscopy in the Forensic Analysis of Wakayama Curry Arsenic Poisoning Case

抄録

<p>1998年の和歌山毒カレー事件の鑑定分析においては,SPring-8を用いた蛍光X線分析が重要な役割を果たしたと言われている.ほとんどの鑑定資料に対して赤外吸収スペクトルが測定されていたが,公判では有効に使われることはなかった.本報告ではこれらの赤外吸収スペクトルを比較し,その意味するところについて考察した.亜ヒ酸試料の異同識別にはSPring-8の蛍光X線分析だけで十分だったと言われていたので,赤外スペクトルは完全には測定されなかった.しかしながら,当時,証拠資料から取り出した一粒の結晶粒子だけではなく,混在物も含めたその証拠資料全体の赤外吸収スペクトルを測定していたとしたら,判決が変わった可能性があることを指摘する.</p>

収録刊行物

  • X線分析の進歩

    X線分析の進歩 45 (0), 87-98, 2014-03-31

    公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016272552345344
  • DOI
    10.57415/xshinpo.45.0_87
  • ISSN
    27583651
    09117806
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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