当院における全職員の喫煙状況と喫煙意識

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  • Smoking Status and Consciousness of Staff Members in Our Hospital

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抄録

<p> 目的:当院,施設職員の喫煙状況,喫煙意識の確認を行い,さらなる喫煙率低下のサポートを行うためアンケート調査を行った.</p><p> 方法:当院,施設に勤務する職員436人を対象に各属性や喫煙状況,喫煙に対する意識調査を無記名自記式アンケートにて調査を行った.</p><p> 結果:410人(回収率94%)より回答が得られた.喫煙者は男性22人(21%),女性32人(10%),年齢別では,20歳代が11人(12%),30歳代が14人(12%),40歳代が17人(17%),50歳代が10人(12%),60歳代以上が2人(8%)であった.職種では医師1人(9%),看護職34人(全体13%,男性20%,女性12%),リハビリ職8人(13%),医療従事者(医師,看護職,リハビリ職以外)8人(19%),事務職3人(11%)であった.当院,施設の職員では女性職員(10%),女性看護職(12%),看護師(男性32%,女性12%)の喫煙が全国平均喫煙率より高いことが判明した.受動喫煙に伴う健康被害の理解は喫煙者,非喫煙者ともに非常に高かった.喫煙に対する意識は,非喫煙者では,「医療従事者は喫煙するべきではない」が,喫煙者では「医療従事者は喫煙するべきではないとは思わない」が有意に多かった(p=0.003).</p><p> 考察:当院,施設職員の禁煙への行動変容ステージモデルは一般喫煙者集団と同程度であり,喫煙者,非喫煙者ともに喫煙,受動喫煙による健康被害の理解は非常に高く,医療従事者における喫煙意識も「気を付ければ問題なし」が最も多いことから,健康被害に関する教育のみでは行動変容や喫煙意識を変え,さらなる禁煙率の上昇は達成しがたい可能性が考えられる.喫煙率が高いと判明した女性看護職員,看護師に対し重点的に喫煙の健康教育介入を行うこと,健康教育に使用する媒体は,知識を文字や数字で表したものではなく,禁煙の行動変容のきっかけとして有効とされる,ライフイベントに係わる事柄を中心に,心情に働きかけるイラストや写真を多く使用することが有効であると考える.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 54 (10), 1146-1153, 2022-10-15

    公益財団法人 日本心臓財団

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