神経変性疾患における高次脳機能障害と画像・病理─左後部側頭葉型アルツハイマー病とアルツハイマー病理を伴う TDP タイプ C の意味性認知症の比較─

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  • Neuropsychological, Neuroimaging, and Neuropathological Correlations in Neurodegenerative Diseases : a Comparison of Left Posterior Temporal Variant Alzheimerʼs Disease and Semantic Dementia with TDP type C and Alzheimerʼs Disease Neuropathologic Changes.

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抄録

<p>  健忘失語ではじまり超皮質性感覚失語からジャルゴンに至った左後部側頭葉型アルツハイマー病例 (以下, 症例 1) と側頭葉萎縮が軽度であった初期から語義失語と行動異常が顕著であった意味性認知症例 (以下, 症例 2) について症状と画像, 病理の関係について呈示した。症例 1 では側頭葉のアミロイド沈着には左右差はないが, 海綿状変化を伴う神経細胞脱落および神経原線維変化や neuropil thread などのタウ病理は左側で強かった。症例 2 では左側頭葉に海綿状変化を伴う神経細胞脱落が強いが, タイプC 病理に相当する transactive response DNA-binding protein of 43kDa (TDP-43) 陽性の長い神経変性突起は, 側頭葉では左側では右側よりも少なく, 病変が軽い前頭葉や頭頂葉で多く, 神経変性に伴いむしろ減少していた。アミロイド病理は中等度で左右差はなく, タウ病理はごく軽度で症状への影響はない合併病理と考えた。神経変性疾患の高次脳機能障害は神経細胞脱落や海綿状変化と対応していた。 </p>

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