Kanno血液型(ISBT 037):抗原と抗体の特性と残された課題

  • 大戸 斉
    福島県立医科大学医学部輸血移植免疫学
  • 内川 誠
    (元)日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター
  • 伊藤 正一
    日本赤十字社東北ブロック血液センター
  • 和田 郁夫
    福島県立医科大学生体情報伝達研究所細胞科学研究部門
  • 川畑 絹代
    福島県立医科大学附属病院輸血・移植免疫部
  • 徳永 勝士
    国立国際医療研究センター研究所・ゲノム医科学プロジェクト

書誌事項

タイトル別名
  • THE KANNO BLOOD GROUP SYSTEM (ISBT 037): CHARACTERS AND ITS ISSUES TO BE ELUCIDATED

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抄録

<p>日本からは初めて国際認定登録されたKanno血液型(ISBT 037)は現時点では1抗原(KANNO1)から成る.KANNO1抗原はあらゆる人類集団・地域において高頻度抗原であるが,東アジアと南アジアではデータベースから理論上KANNO1抗原陰性者とヘテロ接合体保有者が存在する.KANNO1抗原はGPIアンカー糖蛋白であるプリオン蛋白にあり,20番染色体短腕上にある遺伝子PRNPによって規定される.抗KANNO1は現在まではほぼ日本人に限定して見出されている.抗KANNO1は主に妊娠中または妊娠歴のある女性に検出され,輸血歴を有す男性では少ない.臨床的に明らかな溶血性輸血反応や胎児・新生児溶血性疾患をきたした抗KANNO1保有症例は報告されていないが,輸血赤血球寿命の短縮や血小板輸血不応への関与の可能性はある.また,未発見のKANNO2,3,..抗体保有者も存在すると予想する.</p>

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参考文献 (13)*注記

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