医師事務作業補助者が「医療安全」向上へ及ぼす効果

  • 福田 誠司
    島根大学医学部 臨床看護学、小児科、医療安全管理部

書誌事項

タイトル別名
  • Benefit of doctors' assistant on medical safety
  • イシ ジム サギョウ ホジョシャ ガ 「 イリョウ アンゼン 」 コウジョウ エ オヨボス コウカ

この論文をさがす

抄録

<p> 医師事務作業補助者の目的の一つは、医師負担の軽減を通して医療安全など医療の質を向上することである。本研究では、筆者の大学病院において、当事者が医師であるインシデントを医師事務作業補助者導入前後で比較し、医師事務作業補助者が医療安全へ有効であるかを検証した。</p><p> 医師事務作業補助者を導入していない診療科(非導入科)では、インシデント数は対照時期と比較して有意に増加したが、医師事務作業補助者を導入した診療科(導入科)では導入後のインシデント数は導入前と比較して増加しなかった。インシデント数が減少した診療科は導入科で多く、インシデント数が増加した診療科は非導入科で有意に多かった。医師の「多忙、慌てていた、寝不足」が背景のインシデント数は、非導入科では比較前後で不変であったが、導入科では導入後に減少した。医師事務作業補助者の有無はインシデントレベルには影響しなかったが、非導入科では3b以上のインシデント数が対照時期と比べて有意に増加したのに対し、導入科では導入前と比較して導入後に増加しなかった。医師事務作業補助者を導入した診療科において、インシデント発生数と3b以上のインシデント発生数が非導入科と比較して有意に減少したことは、医師事務作業補助者が医療安全向上に有効であったことを示す。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ