統語構造の証拠として韻律パターンを使用することの有効性ー現代韓国語の属格主語構造を一例としてー

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タイトル別名
  • Prosodic Patterns as Evidence for Syntactic Structure: A View from the Genitive Subject Construction in Modern Korean

抄録

統語論、音韻論、意味論など言語学の各分野においては、それぞれの現象を検討するために、細分化されたそれぞれの分野内のデータが証拠とされることが多い。しかし有効な証拠は分野内に限らず、分野外のデータから得られることもある。本発表では、現代韓国語の属格主語構造を一例として、統語構造に関する仮説の検証に韻律パターンを証拠として使用することの有効性を示す。現代日本語では、「母親が焼いたチジミ/母親の焼いたチジミ」のように連体修飾節中の主格と属格が交替することが可能であるが、現代韓国語/朝鮮語では方言によって可能性が異なることが指摘されている(Sohn, 2004; 金銀姫 2014)。ここで「母親の」のような名詞句が連体修飾節の主語であるという証拠を示すために、従来の研究では修飾語を加えた複雑な文の意味判断を行わせることが多かった。本発表では、例文を各方言の母語話者に音読させた韻律パターンを分析することで、名詞句が連体修飾節の主語であることの明瞭な証拠が得られることを示す。

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