姿勢分析により顎位を評価した1 症例

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  • Evaluation of the mandibular postion by posture analysis: A case report

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抄録

<p>咬合崩壊を起こしている患者は,口腔内の歯の位置異常や欠損状況により嚙み癖を生じ,筋肉に過緊張・過弛緩が起こり,顎位の変化が生じる.また往々にして姿勢も変化し,頭痛,肩こり,腰痛,膝の痛みなど全身に症状がでる.そのような患者の咬合再構成を行う時,口腔内だけでなく,姿勢変化を評価することにより口腔内と全身の症状の改善,維持を目指す.日本補綴歯科学会のガイドラインには咬合異常は,頭頸部筋群のバランスを崩すのみならず,全身のバランスにも大きく影響し,体幹の不正,肩,腕,腰などの疼痛および運動障害などが惹起され,また逆に種々の下顎位(下顎安静位,習慣性閉口運動終末位,筋肉位など)は姿勢(頭位)の影響を受け多少変動すると記されている.口腔内写真撮影,歯周組織検査,欠損部位の評価,エックス線写真,顎関節,模型診査などの診査診断に加え姿勢変化を評価する.顎位の評価は初診時とプロビジョナル装着時のゴシックアーチ描記の比較にて行う.姿勢変化の評価は初診時とプロビジョナル装着時に行う.姿勢分析を取り入れ,姿勢を評価し,できる限り全身の傾斜,回旋等を解消し,今後姿勢の変化が起きにくい安定した状態を得て顎位を採得することは,顎位の安定に資するものと思われる.</p>

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